交通事故事件 その2

本件の依頼者は、酒気帯び運転の自動車にぶつけられ、治療を継続していたものの、途中で相手方に弁護士が就き、ほぼ同時に治療費の支払いが打ち切られました。

自費での通院を継続後、後遺障害として14級が認定されましたが、示談交渉で折り合いがつかず、依頼者の意向を踏まえて裁判となりました。

裁判では、治療の必要性(症状固定時期)、休業損害、慰謝料、後遺障害の評価など、争点は多岐にわたりました。
裁判所和解案では、後遺障害について労働能力喪失期間が10年とされ慰謝料について酒気帯びの悪質性を増額事由とされたほか、治療の必要性(症状固定時期)等は、当方の主張がほぼそのまま認定されました

不当な打ち切りに対しては、敢然と争うことで、受傷者側の主張が認められることがあります。簡単にあきらめるべきではありません。

後遺障害14級では喪失期間を5年とするのが実務の趨勢ですが、個別具体的事情を主張立証することでこれを上回る評価(10年)をいただけたのが印象的でした。

弁護士 北野 岳志

2023年04月05日