占有移転禁止の仮処分はどうして行うのですか?

結論:明渡請求権を確実に実現させるためです。

 

不動産明渡訴訟による認容判決が確定すると、被告である占有者が任意に出ていかなくても、強制執行によって占有者を排除することができます。

しかし、前記訴訟が行われている最中に、占有者が被告Aから第三者Bに変わっていた場合はどうなるでしょうか?

Aを被告とする判決の効果は、基本的にAにしか及ばないため、Bを排除することはできません。

このような事態を防ぐために、「占有移転禁止の仮処分」が行われています。

当該仮処分命令が執行されれば、善意・悪意の承継占有者と悪意の非承継占有者に対して、本案の確定判決に基づいて執行することが可能となります

先程の例でいうと、Aを被告とする判決に基づく強制執行によって、Bを排除することもできるようになります。

 

いいこと尽くめのようですが、この仮処分には相応の担保金が必要です

「担保」なので最終的には戻ってきますが、不動産価格の15~30%が相場とされており、安くはありません。

そのため、占有移転禁止の仮処分を行うに当たっては、この担保金を準備できるかどうかが重要となります。

 

以上のことから、明渡請求前に占有移転禁止の仮処分をするか否かは、弁護士・依頼者間で十分に協議をすることが肝要と思われます。

 

弁護士 北野 岳志

2023年03月13日