債務整理事件 その2
破産申立てをした債務整理事件を報告します。
依頼者(中高年 女性)は、若い頃から持病に悩まされ、仕事を長期継続できない状況から、借金をするようになりました。
そのうち、返済能力を超える借金が積み上がり、各債権者からの督促や訴訟提起がなされるようになっていきました。
追い詰められた依頼者は、当初破産申立てに抵抗があったようですが、一からやり直すために破産申立てを委任するに至りました。
借金の総額が数百万円であったのに対して、依頼者に資産はなく、最近、パート勤務を始めるようになったこと(→低収入)等から、支払不能にあることは明白でした。
破産申立てに当たっては、借金をするようになった経緯を細かく聴取したほか、持病に関する症状を裏付ける資料(診断書等)を取り付けるなどしました。
最終的に申し立てた結果、同時廃止の決定が出され、破産免責の決定もいただくことができました。
本件の依頼者のように、破産に抵抗を感じる方は少なからずいらっしゃいます。
債権者に迷惑をかけたくないというお気持ちは一理ありますが、それに拘りすぎると、残りの人生を完済不能な借金を返済することだけに費やすことになりかねません。
お一人で判断がつかない場合は、弁護士等の専門職に相談することをお勧めします
なお、本件は、法テラスによる代理援助を利用させていただきました。
この場合、依頼者はまとまった金員を用意する必要がなく、月5000円~1万円を法テラスに返済するだけで事足ります。
弁護士 北野 岳志