交通事故事件 その6
令和7年中に解決した交通事故事件を報告します。
当方車両は、右矢印信号で右折していたところ、対向車両が赤信号にも関わらず直進してきたため衝突しました。
基本的には、信号無視をした相手側が100%の過失を負うことになりますが、当初、相手方は(なぜか)当方にも過失がある旨を主張し、100%の過失を認めていませんでした。
当職は、受任通知の際、基本は0:100であることを述べた上で、こちらに過失があるというなら合理的根拠を示すよう迫ったところ、相手方は100%の過失を受け入れました。
被害者は、幼い子どもを抱えるシングルマザーでした。
働いてはいたものの、基礎年収はそこまで高額でなかったことから、示談交渉時には、家事従事者として休業損害を請求しました。
これに対して、相手方は被害者の母親が同居していること、その母親の支援が得られることから、休業損害は減額すべきであると反論しました。
当職は、被害者母には持病があり家事に関する支援は望めないこと、むしろ被害者母の世話もしなければならないこと等をあげて、休業損害の減額には応じないと再反論しました。
その結果、休業損害に関しては、当方の主張がそのまま受け入れられました。
仕事に子育てに大変な時期に交通事故に遭われたのは災難でしたが、当方主張を相当程度通すことができたので、多少なりともお役に立てたかなと思います。
弁護士 北野 岳志