交通事故事件 その5
先日解決した交通事故事件を報告します。
本件では、相手方から打ち切り通知が来ており、当職からの延長要請にも応じませんでした。
打ち切り後の治療費を自己負担して後日争うことも含めて協議しましたが、強く争うつもりはないとの委任者意向を踏まえて、打ち切りまでの治療を前提とした示談交渉に移行しました。
この点につき、自己負担分の治療費等を自賠責保険に請求したり、裁判等で争ったりすることも可能であることを補足しておきます。
委任者が事業者であったことから、確定申告書等の資料を収集し、適正な休業損害と慰謝料を算定の上、相手方に請求しました。
内容・金額面で多少争うところはありましたが、最終的に話し合いによって合意に至り、早期解決となりました。
内容・金額面でこちらの条件を下げなかった場合、相手方が折れなければ、提訴等の法的措置をとるしかありませんが、相応の時間がかかります。
また、有力な証拠がない、従前の裁判例の傾向にそぐわない場合等は、当方の主張が認められる可能性は低くなります。
そのため、弁護士対応の事件でも、すべてが裁判となるわけではありませんし、交通事故事件に関しては、むしろ話し合い解決の方が多い印象です。
弁護士 北野 岳志