刑事事件 その9
窃盗被疑・被告事件の弁護を担当しました。
被告人は、共犯者と複数の店舗で窃盗(万引き)をしており、被害額・被害品数は少なくありませんでした。
また、同種前科と異種前科があり、以前に執行猶予付き有罪判決を受けたこともありました。
そのため、何もしないままでは実刑の可能性もあると考えられました。
弁護活動としては、被害店舗への弁償を優先的に実施しました。
幸い、被告人は、一定の金員を持っていたほか、協力者もいたため、被害弁償に必要な金員を確保することができました。
被害店舗も応じていただけたため、判決までにすべての被害弁償を完了することができました。
裁判長からは、被告人に厳しい指摘がなされたものの、被害弁償を行ったこと等が評価され、執行猶予判決をいただくことができました。
本件では、被害弁償のために、直接店舗を訪問しましたが、それによって証拠資料に記載されている犯行態様をより明確に理解することができました。
犯罪事実を争う事件ではありませんでしたが、現場を訪れることの重要性をあらためて認識することができました。
弁護士 北野 岳志