警察に呼ばれて取調べを受けてきました。今後、逮捕されないか不安ですが、どうしたらいいですか?

結論:逮捕のリスクを下げる行動をとった方が良いと思われます

 

逮捕とそれに続く勾留は、身体を拘束する国家権力の行使として、最もよく知られたものです。
逮捕・勾留するには、原則として、裁判官の発した令状が必要です(刑事訴訟法199条1項、刑事訴訟法207条1項)。
ただ、実際のところ、捜査機関から逮捕状・勾留状が請求された場合、裁判所が発布を拒否することは滅多にないと言われています。
そのため、逮捕・勾留されないためには、前記令状請求を控えてもらう、言い換えれば、捜査機関に逮捕や勾留をする必要がないと思ってもらうことの方が重要といえます。

まず、取調べへの出頭要請に応じるか否かですが、応じないことによって逮捕リスクが高まることを踏まえると、基本的には応じるべきでしょう。
なお、体調不良等の正当な理由があれば、拒否することも可能です。

私選弁護人がいれば、これに同行することも多々ありますが、取調室での同室までは認められないことがほとんどです。

捜査機関に対して、本人や身元引受人より誓約書を提出するというのも1つです。
内容としては、取調べに応じる、罪証隠滅や逃亡をしない等です。

被害者がいる事件の場合、被害者と示談するのも1つです。
もっとも、被害者への威迫や証拠隠滅行為と受け止められるリスクがあるほか、感情論になることが危惧されるため、示談交渉をする場合は、弁護士等専門職を代理人に立てるのが望ましいと言えます。

弁護人より、逮捕しないよう意見書を提出するというのも考えられます。
これによって、弁護人が就いていることを捜査機関に知らしめる効果もあり、逮捕自体を防ぐ効果は低いものの、強引な捜査に対する抑止効果が期待できます。

以上のように、逮捕を回避するための様々な方策がありますが、残念ながら100%逮捕を回避する方法はありません。
また、捜査の進展や捜査機関の対応に応じて、別のやり方を考えなければならない場合もあります。
詳細については、刑事事件を扱う弁護士にご相談ください。

弁護士 北野 岳志

2023年03月27日|刑事:刑事