離婚協議中の夫に対して、財産分与を求めたところ、夫名義の借金について、半分を負担するよう言われましたが、その必要があるのでしょうか?

結論:借金は、基本的に離婚における財産分与の対象とはなりません。

1 前提・財産分与とは
財産分与とは、離婚時に、夫婦の一方が他方に対し、婚姻中に築いた財産を分配するものです。

離婚時に、当事者間で合意に至らない場合は、家庭裁判所に対して、協議に代わる処分を請求することができます。

離婚成立後も、2年以内であれば、財産分与請求をすることが認められています。

2 借金等の負債の基本的な取扱い
負債については、基本的に、財産分与の対象になりません。

よって、夫婦の一方が他方に対し、個人名義の借金を半分引き継ぐよう求めることは基本的にできません。

3 負債を例外的に考慮する場合
住宅ローン、教育ローン等の場合は、通常、夫婦や子どもとの共同生活に必要な債務にあたります。

そのため、個人名義であるという形式的理由で、一方のみが負担を負うべきとするのは、公平でないと解されます。

実務においては、各種ローン相当額を、現金・預貯金等の積極財産から控除するような措置が行われています。

弁護士 北野 岳志

2024年02月13日|離婚:離婚