捻挫だと、後遺障害は認定されませんか?
結論:後遺障害(多くは14級)が認定されることはあります。
自動車損害賠償保障法施行令別表第二14級9号は、「局部に神経症状を残すもの」を後遺障害としています。
具体的には、治療状況や症状経過等を勘案すると将来においても回復が困難と見込まれる障害と考えられており、打撲・捻挫受傷後、長期間治療を続けても改善しないケースは、これに該当する可能性があります。
実際、交通事故にによる頚椎・腰椎捻挫受傷後、半年以上治療を継続しても症状が残存する方は一定数おり、その中の一部の方が14級9号の認定を受けています。
なお、同別表第二12級13豪「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当する可能性もないではありませんが、こちらはMRI等で本件事故に起因する他覚的所見が得られないと、容易に認定されない傾向が認められます。
もっとも、捻挫は、骨折のようにレントゲン等で明確な裏付けが得られるものではなく、第三者に適切な理解を得られにくいのが難点です。
そのため、治療におけるさりげない発言や通院の仕方が審査担当者の誤解を招き、後遺障害と認定されない事例も多々見受けられます。
後に誤解を招かないためにも、早い段階で弁護士に相談し、適切な助言を受けておくことが推奨されます。
弁護士 北野 岳志