盗撮をしてしまいましたが、逮捕・勾留されますか?

結論:割合としては高くないものの、逮捕・勾留される事例はあります。

 

盗撮は、地方自治体の迷惑防止条例違反として立件されることが多く、三重県では、撮影を実行した場合は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金実行に至らない場合は6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処すと定められています。
常習者については、これらの2倍の量刑となります。
また、件数は少ないものの、管理者の意思に反する立ち入りである点を捉えて建造物侵入罪とされることもあります。

盗撮は、(他の性犯罪と比べて)重大犯罪とは言えないこともあって、在宅のまま捜査が進められるケースが多いです。現行犯逮捕されても、すぐに身体解放されるケースが散見されます。

とはいえ、逮捕・勾留される事例は一定数認められます。
以下では、どのような場合に逮捕・勾留されやすいかをお伝えします。

(1)逃亡した・逃亡を図った場合
 刑事訴訟法207条が準用する同法60条1項3号は、勾留要件として「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき」と規定しています。
 盗撮後に逃亡した、逃亡を図った場合は、前記勾留要件に該当してしまうことから、逮捕・勾留の可能性が高まります。
 直接は関係ないものの、定職を持たないことや身元引受人がいないことは、類型的に逃亡の危険がありとされがちな傾向があります。
(2)住所不定の場合
 刑事訴訟法60条1項1号要件に該当します。
 真実の住所を述べなかったことから、住所不定とされたケースもあります。
(3)証拠隠滅をした・証拠隠滅を図った場合
 刑事訴訟法60条1項2号要件に該当します。
 典型例としては、盗撮画像の撮影・保存に用いた電子機器を破壊・隠匿したこと等です。
 もっとも、自身の罪の証拠を隠滅することは、証拠隠滅罪(刑法104条)には問われません。

 盗撮をして、逮捕・勾留の危険を感じていたり、実際に家族・友人が逮捕されてしまったりした場合は、速やかに弁護士にご相談ください。

弁護士 北野 岳志

2023年03月24日|刑事:刑事